セッション(Whiplash)について
全米一の音楽大学に入学したニーマンと、スタジオバンドを率いる鬼教官フレッチャー。デイミアン・チャゼル監督は『ラ・ラ・ランド』をつくった人で、りょうすけの通うハーバード大の先輩です。
この『セッション』を語る回は、2回に分けて配信します。後半は次回配信予定。
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*おことわり|第6回の次回予告にあったように、最初は「オンラインでの働き方」について話していましたが、そこから発展した映画の話が面白かったのでこちらを公開します!チーム作りについての話題は本文中に少し登場しますので、ぜひおたのしみに!
R:ゴールデンウィークで『セッション』見たやんか。個人的には『ラ・ラ・ランド』より好きな映画で、みんなに観てほしかったのよね。どうだった?
S:いやあ観てて息が詰まる。緊張感が尋常じゃなくて、えげつない部活って感じ。フレッチャーのセリフ、“There are no two words in the English language more harmful than Good job.” (「よくやった、よりも有害な英語二文字は他にない。」)ここはストイックを超えた狂気を感じたわ。
R:たしかにあれは狂気だなあ。でさ、あの映画の一番の特徴は、衝撃的な師弟関係だと思うのよね。それこそ教育プログラムをつくっている立場として、今日はセッションを題材に語りたいと思って!なんかしゅう話したいテーマある?
S:おおいいね!おれが話したいのは「鬼教官フレッチャーは良いコーチかどうか?」かな。コーチング練習してるし興味出ちゃうね。
R:いいね。じゃあまずさ、「良い」の定義からはじめよう。
S:良いコーチの定義はそのコーチの下で良いプレイヤーが育つことやな。
R:じゃあ「良いプレイヤー」ってなに?
S:まあこの映画だと鬼才になるかな?ジャズの歴史を新しくつくるみたいなレベルの人。
R:OK。今回はそういう「歴史を切り拓くレベルの鬼才を育てるには、フレッチャーみたいな鬼教官が必要か?」というテーマで語りましょ。
R:初めにさ、フレッチャーの指導方法について簡単に話そうか。どんなんだっけ?
S:まあまず怖いよねほんまに。緊張感というか。ミスが許されない環境で練習させるし、練習でもちょっとミスったらすぐ他の演奏者と替われって言われるし。
R:つまりフレッチャーの特徴は、圧倒的な上下関係と、その上下関係のもとにどんなに小さなミスも許さない厳しさかな?
S:三つ目は罵詈雑言(笑)
R:確かに。この心理的安全性全盛期の世の中では超逆行よな、ほんまに。
S:メンタリングとかコーチングとかする気全くないから。俺に合わせろ!って何回も怒鳴ってるし。
R:それ。
S:一番議論に上がるのはあの教え方の環境かな。最近リモートワークが増えてきて、心理的に安全性の高い組織を作るっていうのはブーム。メンバーがパワーバランスにかかわらず意見を言いやすい環境が良い組織だといわれている中で、フレッチャーの作る環境はまじで真逆よね。
R:いやーほんとそうだわ。お、ありがとう。
(ここで母がお茶を持ってきてくれました。この記事は夜中に収録しています。音声入力アプリを使っているのです。)
R:フレッチャーの指導法の良し悪しについて話す前にちょっと整理したいんだけど、今回はあの指導法の誰に対する影響を考える?ニーマン本人への影響だけを見るのか、それともスタジオバンドの他の仲間たちへの影響を見るのか。
あ、まずはこのスタジオバンドについて少し説明しておこうか。
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フレッチャー率いるこのスタジオバンドは、全米一の音楽大学であるシェイファー音楽院の中でも名門のバンド。このバンドに入ることは非常に名誉なことで、フレッチャーからスカウトされることは一流の証になっている。
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S:だからやっぱり、一流の演奏家になる!っていうのを夢見て集まってくるんだろうな。
R:うんうん。でもみんな、一流の演奏家にはなりたいと思っているはずだけど、鬼才になりたいかどうかはわからないよね。
S:なるほど、上手くはなりたいけどか。
R:そうそう。何が言いたいかというと、ニーマンは歴史を作りたい、Great(偉大)になりたいと思っている。でももしその他の学生がそう思っていなかったとしたら、フレッチャーの指導が与えるその他の学生への影響は考えた方がいいかな?ってことね。
S:フレッチャーの指導の目的には、歴史を作りたいと思ってない学生は入ってないと思うね。フレッチャーの目的は鬼才を育てることやから、ニーマン以外の生徒はニーマンへの刺激物でしかないわけ。
R:そうやな。
S:じゃあニーマンにとって良いコーチかどうかに絞ろう。
R:OK。ということは、今日の議論では、あんな指導は社会的に受け入れられませんとかはなしで。
S:イエス!
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前半はここまで。フレッチャーの指導法には色々と問題がありそうですが、その方法で鬼才は育つのでしょうか。皆さんはどう思いますか?ぜひコメントしてください!
次回どうする?の話
第8回も引き続き対談形式でお送りします。次回は映画『セッション』の後半。果たして鬼コーチは鬼才を育てるのでしょうか?しゅうすけは自らの「鬼コーチ」との体験談も話しながら、りょうすけはニーマンの家庭環境にも注目しながら話していきます。映画『セッション』みてみてね!
おたのしみに!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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